PR

甘酸っぱさが魅力のレモン―タネからフルーツを育ててみる

ガーデニング

お次は木に生るフルーツ、レモンの栽培方法をご紹介したいと思います。

■レモンってどんなフルーツ?

レモンの原産地というと、地中海沿岸の太陽が燦々と降り注ぐような地域を勝手に想像しているのですが、実際のところはどうなんでしょう?

調べてみたところ、ヒマラヤ東部なのだそう。
ただし、レモンの原種のシトロンが、古くから地中海地方で栽培されていたようです。

7世紀頃にはペルシア人が栽培していたとの記録があり、その後、9世紀にイスラム帝国がシチリアを占領したとき、レモンも一緒に持ち込まれ、以降シチリアがレモンの一大産地になったようです。

なるほど、地中海地方が原産というのも、当たらずとも遠からずといったところですね。

レモンは寒さに弱いので、ヨーロッパの他の地域では育たず、イタリアやスペインなど、地中海気候の地域が産地になっているようですね。
日本でもよく似た立地の瀬戸内海沿岸が主な産地のようです。

 

■レモンの品種

レモンにも、いくつかの品種があります。
主なものをあげてみます。

リスボン

20世紀の初め、南カリフォルニアで開発されました。
日本ではブランド名の「サンキスト」で知られています。
果汁が多く、香りが強い品種です。

ユーレカ

シチリア原産の品種です。
リスボンより寒さに弱いとされていますが、品質は高いです。
主にカリフォルニアで栽培されています。

ビアフランカ

こちらもシチリア原産です。
苗はトゲなしレモンとして売られています。
日本へは戦前に広島に持ち込まれました。

ジェノバ

日本ではあまり知名度がありませんが、チリなどの南アメリカで栽培されています。
タネが少なく、果汁が多いです。

ポンテローザ

通常サイズの3倍のジャンボレモンです。
わずかですが、日本でも流通しています。
酸味はやや薄いです。

 

その他にも、インドなどの地域で栽培される品種がたくさんあります。
また、オレンジとの交配でできたメイヤーレモンなどもありますね。

>>>関連記事:レモンの活用法いろいろ!その驚きの使い方とは!?

 

■レモンのタネ蒔きと育て方

タネ蒔き

レモンの発芽率はとても高いと言われています。
タネ蒔きの数日前から水につけておけば、発芽率は80%を超えます。
その際、水に沈むような中身の詰まったタネを選ぶのがコツです。

タネを採取するときに注意すべき点は、レモンを食べたらすぐに蒔くようにすることです。
乾燥させないよう気をつけるということですね。

タネについた果肉やヌメリもキレイに洗っておきます。
発芽を早めるために、タネの表面の薄皮も取っておいたほうがいいですね。

スポンサーリンク

タネを蒔く土についても、特別気をつかう必要はありません。
園芸屋さんで売ってる苗用の土で充分です。
種が隠れるぐらいに土をかけ、あとは乾燥に注意するだけです。

もうひとつ注意点として、タネ蒔きの適齢期は2月下旬から3月上旬ですので、寒さに弱いレモンを守るために室内の暖かい場所で育てる必要があります。

土の表面が乾いたら、水を与えます。

発芽したら

発芽後は日当たりのいい場所で管理します。

レモンの成長はとても遅く、花が咲き実が生るようになるまで10年ほどかかります。
ですので、気長にじっくり、観葉植物をかわいがるように育てるのがいいと思います。

レモンは多胚型といって、ひとつのタネから数本の芽が出ることがあります。
しばらく育ててから、一番成長の良いものを残し、他の芽は間引いてしまいましょう。

4月から9月の間に緩効性の肥料や液体肥料を与えます。
肥料が少ないと葉が黄色くなりますので、よく観察しておきます。

暖かい時期には屋外に出してもいいのですが、害虫などに注意が必要です。
アゲハチョウの幼虫は葉を根こそぎ食べてしまいますし、カミキリムシの幼虫は木を食べます。
葉がかじられていないか、根本に木くずが落ちていないかを見ておきましょう。

剪定方法

苗が育ち始めてから、5年ほどは剪定の必要はありません。

5年目以降、木の形を整えたり成長を調整したり、栄養が偏らないようにするために、剪定を行っていきます。

伸びすぎた枝などを切り戻し剪定し、木の高さや広がりを調整します。
枝の分岐した根本から切っていくのがコツです。

枝が込み合っていたりして、日当たりや風通しが悪いところの枝を切っていきます。
葉が混みすぎていると、葉が傷んで病気になったり、日当たりが悪くて成長が遅くなったりします。

剪定の時期は3月頃がいいです。

花と果実

レモンは1本でも実が生ります。

花は5月から6月頃に咲き、果実の収穫時期は1月から2月です。

その時期以前にも実が生りますが、木の成長を妨げますので、余分な実は小さいうちに摘んでおきます。
葉っぱ30枚から40枚で果実1つというのが適量です。
鉢植えの場合には1株に付き3~5個、庭植えの場合には20~30個ほどが目安となります。

生った果実はすべて収穫しておきます。
そうすることで木の成長を助け、翌年以降にも実をつけやすくなるのです。

 

■失敗しないレモン作り。ここだけは注意しよう

最後になりますが、レモンの栽培において気を付けたほうがいいことを、いくつか挙げたいと思います。

レモンはタネの発芽率はいいものの、寒さにはとても弱いのです。
ですので、タネ蒔きの時期や発芽後の気温、日照には特別気を使う必要があります。

また、レモンに限らず柑橘類は、虫に非常に狙われやすいです。

特にアゲハ蝶の幼虫は、小型の苗ならひと晩で葉っぱを食い尽くすほどの勢いがありますし、その他、幹をかじる昆虫も多いですから油断は禁物です。
日頃からよく注意して見てあげましょう。

スポンサーリンク

コメント