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小さくても栄養たっぷりなブルーベリー ―タネからフルーツを育ててみる

ガーデニング

愛らしい小さな実に、独特の色味と味わいのあるブルーベリー。
目に良いといわれるアントシアニンが豊富に含まれていることで、その有用性も注目されていますね。
ここでは、このブルーベリーの育て方をご紹介します。

■ブルーベリーってどんなフルーツ?

ベリーという名前がついていますが、イチゴのようなバラ科ではなく、ツツジ科の植物です。

原産は北アメリカで、現地では古くから食用にされていましたが、20世紀に入って品種改良が加えられ、様々な品種のブルーベリーが生まれました。

生食の他、ジャムやケーキなどに多く用いられ、その独特の甘酸っぱさが人気ですよね。

また、ブルーベリーに多く含まれるといわれるアントシアニンが目に良いとされて、健康食品やサプリメントにも広く利用されています。

主な栽培地はアメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランドなどで、日本でも1960年代後半から栽培が始まり、長野県や群馬県、山梨県や岩手県の他、多くの地域で栽培が行われています。

■ブルーベリーの品種

品種改良の結果、現在、ブルーベリーの品種は100種類を超えています。
そのなかでも栽培種のブルーベリーは、大きくハイブッシュ系とラビットアイ系に分類されます。

ハイブッシュ系

北部発祥のため、夏の暑さや乾燥に弱いです。日本では、関東より北での栽培に適しています。
樹高は1.5メートルから2.5メートルとやや小柄で、自家結実性があるので1本でも受粉可能です。
ハイブッシュ系はさらに、より寒さに強いノーザンハイブッシュ系、温暖地でも育てやすいサザンハイブッシュ系、高地や極寒地でも育つハーフハイブッシュ系に別れています。

主な品種

  • デューク:ノーザン系。自家結実性に優れ、ブルーベリーらしい甘さと酸っぱさを兼ね備えています。
  • シェラ:ノーザン系。大粒で甘酸のバランスに優れます。香りの良さも特長です。
  • アーリーブルー:ノーザン系。最も早く実が熟します。味・香りともに優れています。
  • オニール:サザン系。甘くておいしいことに定評があります。
  • シャープブルー:サザン系。その甘さから非常に人気です。育てやすい品種でもあります。

ラビットアイ系

南方発祥のため、寒さには弱いです。関東以南での栽培に適しています。
ハイブッシュ系に比べ、土もあまり選ばず、丈夫で育てやすいという特長があります。
樹高は3から4メートルと大型、自家結実性が弱いので、同系統の他品種が2本以上必要です。

主な品種

  • ホームベル:ラビットアイでは代表的。甘さは充分ですが香りは控えめ。
  • ティフブルー:こちらも代表品種。貯蔵性に優れる人気種です。やや小粒。
  • パウダーブルー:さわやかな甘さが人気です。ラビットアイ系のなかでは中粒。

 

■ブルーベリーのタネ蒔きと育て方

タネの採取

上でお話ししたように、耐寒性や樹高、自家受粉の有無など、ブルーベリーは品種によって性質が違います。
確実に育てるためには、育成する環境にあったものを選ぶ必要があります。

運良く目的の果実が手に入る場合はいいですが、もし無理な場合には市販のタネを購入するしかありません。
ここではひとまず、目的にあった果実が手に入った場合の、タネの採り方を説明していきますね。

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タネを採取する果実は完熟したものを選びます。
果実を潰すと、茶色くて小さなタネが入っているのがわかると思います。
そのタネを大雑把に取り出し、水に浸して軽くかき混ぜます。

するとタネと実が分離しますので、タネだけを取り出し、キッチンペーパーなどの上に置いて乾燥させます。

これで、タネの取り出しは終了です。

土作りとタネ蒔き

ブルーベリーは比較的育てやすい果樹ですが、いくつかの条件があります。

  • 酸性の土を好む
  • 水切れに弱い
  • 日当たりを好む

タネ蒔きに当たってはビニールポットなどに蒔いていきますが、酸性土を好むという性質から、用土にピートモスという乾燥した苔を混ぜたものを用意しておきます。

タネを蒔いたら乾燥に注意します。毎日チェックして、表面が乾燥したら霧吹きなどで水を与えます。
目が出るまでは明るい日陰に置くようにします。

タネ蒔きの適正時期は暖かくなってくる3月頃です。

植え替えと育成

茎の高さが5センチを超えたら植え替えをしていきます。

鉢やプランター、庭などへの地植えともに、酸性の土作りが重要です。
ブルーベリーがうまく育たない原因のほとんどが、酸性の土に植えなかったことです。

鹿沼土に水を含ませたピートモスを半々に混ぜたものを用意し、植えていきます。

日当たりも重要で、1日の日照時間が4時間以上ないと実がうまく生らない場合があります。
鉢植えの場合には置き場所を、地植えの場合には植える場所を工夫してあげる必要があります。

乾燥にも注意が必要で、完全に乾燥しきらないように気をつけます。
ただし、水が多すぎても成長を悪くするので、表面が乾いたら適宜水を与えるようにします。

肥料に関しては絶対必要というわけではありません。
成長に勢いがついた頃、小豆大の置き肥を、根から離れた場所に置いてやるぐらいで大丈夫です。

受粉と注意点

育て始めてから3年ほどは、成長を優先するために花芽は全て摘み取ってしまいます。
つまり、収穫可能になるのは4年目以降ということになりますね。

この頃には樹高も1メートル以上になっていると思います。

花が咲くのは4月で、約1ヶ月ほどの間に白く小さな花が開花していきます。

無事結実すると、熟すに従い緑色、赤色、紫色と変化していきます。

収穫時期はハイブッシュ系なら6月から7月、ラビットアイ系なら7月から8月です。実全体が青紫色になったら収穫時期です。

 

ブルーベリーは基本的に自家結実しにくい果樹です。

ラビットアイ系なら確実に、同系統異種の株が必要になりますし、ハイブッシュ系でも確実性を求めるなら、やはり同系統異種の株を揃えたほうがいいでしょう。

虫媒可能な環境なら自然受粉も望めますが、そうでない場合には人工授粉が必要です。

 

■失敗しないブルーベリー作り。ここだけは注意しよう

ブルーベリーの栽培で失敗する原因のほとんどは、土作りにあるといわれます。

逆にいえば、土作りさえうまくいけば大きく育てることも容易な果樹ですので、ここは妥協せずきちんとした土作りをしておきましょう。

ブルーベリーは酸性を好む植物ですので、ピートモスなどを使って酸性寄りの土壌を作る必要がありますが、ピートモスのなかには土壌を酸性に傾けすぎないよう、調整してあるものもあります。

ブルーベリーの土作りにはこういった調整済みピートモスではなく、無調整のピートモスを使用する必要があります。

 

その他の注意点としては、ハイブッシュ系・ラビットアイ系といったように、品種によって気候との相性がありますので、育てる品種を間違えないことも大切です。

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