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ビタミンCが豊富なキウイフルーツ―タネからフルーツを育ててみる

ガーデニング

愛らしい実のなかにビタミンCがいっぱい。
甘酸っぱくてみずみずしく、あざやかな緑色の実が印象的なキウイフルーツは、人気の果物のひとつですね。

今回はこのキウイフルーツの栽培に挑戦です。

■キウィフルーツってどんなフルーツ?

キウイフルーツはマタタビ科のつる性植物で、原産は中国の長江流域の山岳地帯といわれています。
その後、20世紀の始めにニュージーランドへ持ち込まれ、品種改良を加えられて市場に出回るようになりました。

名前の由来は、よくいわれる外見がニュージーランドの国鳥キウィに似ていることから名付けられという説、国鳥キウイにちなんだという説、ニュージーランド人の愛称キウイから付けたという説があります。
実際のところはあまりはっきりしていないようですね。

キウイフルーツにはビタミンC以外の栄養も豊富に含まれています。
必須ミネラルのカリウムや調理で壊れやすい葉酸、ビタミンEや食物繊維、ポリフェノールが主な栄養素です。

産出国の第一位はイタリア。第二位が原産国の中国。第三位がニュージーランドです。

日本では1970年代に、ミカンなどの柑橘類の転作作物として栽培が始まっています。

■キウィフルーツの品種

キウイフルーツには、大きく分けて中身が緑色のものと黄色のものがあります。
また、国産品種もいくつか市場に出回っています。

主なものをあげてみます。

ヘイワード

お店で一般的に見られる緑色の果肉が鮮やかな品種です。
やや酸味が多いですが、適度な甘さもあり、根強い人気があります。
果皮は薄茶色で、表面に産毛が生えています。

香緑(こうりょく)

ヘイワードの自然交雑によって生まれ、1987年に品種登録された品種です。
ヘイワードに比べ酸味は少なく、より甘みが多いです。
形はやや細長く果皮には多くのうぶ毛が生えており、エメラルドグリーンの果肉も特徴的です。

讃緑(さんりょく)

その名からわかるように、香川県で品種改良された品種です。
香緑と中国系の品種を掛け合わせて作られ、先がやや尖っていることで区別ができます。
果肉が黄緑色なのも特徴ですが、生産量が少ないため市場ではあまり見かけません。

スウィートグリーン

ニュージーランドのゼスプリ社で開発された品種です。
日本では割と最近から流通しています。
果肉が黄緑色で、甘味が強くソフトな口当たりで、ヘイワード種より酸味がまろやかです。

ゼスプリゴールド(ホート16A)

こちらも同じくニュージーランドのゼスプリ社が開発した品種で、果肉が黄色く甘味が強いです。
別名「ゴールドキウイ」ともいわれます。
表面にうぶ毛はほとんどなく、やや細長く先端を絞ったような形をしています。
国内では愛媛県や佐賀県でも生産されています。

サンゴールド

同じくニュージーランドのゼスプリ社が開発した、割と新しいゴールドキウイ。
果汁が豊富で糖度が高く、酸味はおだやかなのでさわやかな味わいがします。
小さなお子さんにも食べやすいことから人気があります。
形は俵型で、表面にはうぶ毛はありません。

アップルキウイ

日本名では「魁蜜(かいみつ)」と呼ばれ、リンゴのような特徴的な形をしています。
重さは150グラムほどと大きめで、果汁が多く甘みの強い品種です。
国内では静岡県で多く栽培されています。

レインボーレッド

黄緑色の果肉の中央に赤い色素が入る、変わり種のキウイフルーツです。
中国系の品種を改良・育成したもので「有限会社コバヤシ」によって商標登録されています。
サイズはやや小さめで、甘みは多いです。
「紅鮮」というよく似た特徴をもつ品種もあります。

>>>関連記事:キウイフルーツのおススメ調理法と選び方

 

■キウイフルーツの育て方

タネ蒔きと発芽

果実を割ってみるとわかりますが、小さな黒いタネが1列に並んでビッシリと詰まっています。
スプーンなどを使って、薄く削ぐようにタネを採取していきます。

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タネのまわりの果肉には発芽抑制物質が含まれていますので、目の細かいザルなどを用いて、きれいに洗いましょう。

タネがきれいになったら、一度水に浸して、底に沈んだタネだけを使います。
水に浮くタネは中身がありませんので、発芽は望めないからです。

タネを蒔くときは土の上に蒔いてもいいですが、乾燥を避けるために、水を含ませたキッチンペーパーなどを使うとお手軽です。

適当にバラけるようにペーパーの上に蒔き、水分を補給して乾燥させないようにします。

キウイフルーツは温暖な気候を好む植物ですので、タネを蒔く時期は4月から5月がよいでしょう。
そうすれば、冬が来るまでに苗が充分成長して、寒さに耐えることができます。

順調にいけば、タネを蒔いてから2週間ほどで発芽します。

植え付けと植え替え

芽が出たら、根を傷付けないよう注意して土に植えてあげます。
最初から土にタネを蒔いた場合には、この作業は必要ありません。

さらに2週間ほど経つと双葉が開き、その後順調に育てば、7月頃には3センチほどの本葉が数枚育ってきます。
この頃を目安に、元気のいいものを1株づつポットなどに移していきます。
土は普通の園芸用の土で充分です。

ポットに移した後も、しばらくは水切れを起こさないように注意します。

鉢植え、地植え

ポットの下から根が出てくるようになったら、鉢または庭などへの植え替えが必要になります。
時期としては、葉が落ちる11月から3月の休眠期がよいです。

腐葉土を好むので、園芸用の土に腐葉土を3割ほど混ぜた土作りをしておくといいようです。

つる性植物なので、しっかりとした支柱と棚を用意しておく必要があります。
巻き付く力が非常に強いので、家の柱などに巻き付かないよう、注意しましょう。

雌雄の区別

キウイフルーツには雌株と雄株があり、両方が揃っていないと実が生りません。

タネから育てた場合は、花が咲くまでどちらの株なのかはわかりません。
花が咲くまで3年ほどかかるので、それまで待たなければなりませんが、一応の目安らしきものはあります。

それは、雄株と雌株では成長の速さが違うというものです。

特に双葉が出てから本葉が出るまでの時期、雄株のほうが成長が早いといわれていますので、その成長具合で判別することができるかもしれません。

ただ、絶対の目安とはいえず、単に成長が遅れているだけということもあり得ますので、いずれにしても花が咲くまでは複数の株を育てていく必要があります。

受粉と収穫

タネ蒔きから3年ほと経つと、その年の5月の終わりから6月にかけて花が咲きます。

確実に結実させるため、人工授粉させるのがよいでしょう。
真ん中がふくらんだものが雄花なので、その花を摘み、雌花に直接すり付けて受粉させます。

開花時期がずれている場合には、半分ほど開いた雄花を冷蔵庫で保存しておき、雌花が開花したら取り出して花粉を付けます。

実が生りすぎると大きくならないため、受粉から1ヶ月ほど経った頃、摘果していきます。
目安としては、枝1本につき4個から5個です。

11月頃、皮が薄茶色になってきたら収穫時期です。

 

果肉が緑色の品種は追熟が必要です。
リンゴやバナナと一緒にビニール袋に入れ、常温で保管します。

または、複数あるうちのひとつを机の角などに軽くぶつけ、傷を作ります。
そのキウイフルーツを他の実と一緒にビニール袋に入れ、やはり常温で保管します。

2週間ほど経って実が柔らかくなってきたら食べ頃です。

 

■失敗しないキウイ作り。ここだけは注意しよう

土作りに多少コツがあるものの、キウイフルーツは割合日本の気候に適応しやすいので、育てるのはそう難しくはありません。

ただ、雄株と雌株がそろっていないと実が生りません。

苗で売られているものは、この点、きちんと区別されているのですが、タネから育てる場合には、ある程度育ってからでないと判別しにくいので、複数株育てていかなくてはなりません。

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