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トロピカルフルーツの王様マンゴー ―タネからフルーツを育ててみる

ガーデニング

濃厚な味わいが魅力的なマンゴー。
生で食べるだけでなく、アイスやプリンに使われたりと、大人気ですよね。
お店で買うと結構なお値段がしてなかなか手が出せませんが、今回はこのマンゴーの栽培をご紹介します。

■マンゴーってどんなフルーツ?

ウルシ科マンゴー属の植物で、インドからインドネシアが原産だといわれています。

その栽培の歴史は古く、インドではなんと4000年も前から栽培されていました。
仏教の経典にも記述があるほど、人々の暮らしに関わっています。

マンゴーの木は常緑高木で、その樹高は40メートル以上にもなります。

マンゴーの原産地ではミツバチが生息するには気温が高すぎるため、ハエを利用して受粉をしています。
そのハエを引き寄せるため、花は強烈な腐敗臭を発するそうです。
室内での栽培には注意が必要ですね(笑)

雌雄同株なので1本でも実を生らすことができます。
ただ、実をつけるまでは芽が出てから4,5年かかりますので、気長に成長を見守る必要があります。

最大の産地は原産国のインドで、世界各国に輸出されています。

その他、東南アジアやメキシコ、オーストラリア、台湾でも栽培されています。
日本でも沖縄など温暖な地域で栽培されています。

■マンゴーの品種

インドマンゴー

インドマンゴーは6種類が輸入されています。
そのうち代表種となる「アルフォンソ種」はマンゴーの代名詞といえるほど人気が高く、その果肉のやわらかさや甘酸のバランスからも「マンゴーの王様」と呼ばれるほどの品質を誇ります。
その他の品種については輸入量は少ないです。

ペリカンマンゴー(ガラパオ種)

主にフィリピンから輸入されています。
ペリカンのクチバシに似た細長い形からこう呼ばれています。
他には皮の色から「イエローマンゴー」「ゴールデンマンゴー」とも呼ばれています。
まったりとした甘さとなめらかな舌触りが特長で、国内でも安く出回っています。

グリーンマンゴー(キーツ種)

主に沖縄県で生産される大きめのマンゴーです。
完熟しても皮が緑色のままで赤くなりません。
そのため食べ頃が判断しにくいですが、色がやや黄色くなって甘い香りがして、実が柔らかくなったら食べ頃です。
深みがある濃厚な甘さが特長的です。

アップルマンゴー

ブラジルやメキシコから輸入されています。
皮がリンゴのように赤くなり、果肉はオレンジ色です。
多めの果汁とたっぷりの甘さで、マンゴーらしい濃厚な味わいが楽しめます。
国内でも生産されますが、輸入品のほうが安価です。

タイマンゴー

「ナンドクマイ種」という皮が黄色い品種が主流となっています。
ヘタ側は丸く、反対の先端側が尖っている形から区別ができます。ほどよい酸味と濃厚な甘さがあります。

ピーチマンゴー

オーストラリアで栽培される「ケンジントンプライド種」の別名です。
桃のように皮がピンク色に染まる可愛らしい品種です。
酸味はあまりなく、繊維質が少なめのネットリとした味わいをしています。

台湾マンゴー

台湾マンゴーといえばアップルマンゴーの一種「愛文(アーウィン)種」が有名です。
その他にも皮の黄色が鮮やかな「金煌」、台湾で古くからある小ぶりで皮が緑色の「土マンゴー」などもあり、地元台湾ではとても安く手に入れることができます。

 

■マンゴーのタネ蒔きと育て方

タネ蒔きから発芽

海外産のマンゴーは、防カビ処理がされている場合があり、発芽しない可能性がありますので、国産のものを選んだほうが確実に発芽させられます。

マンゴーのタネは果実の真ん中にひとつあり、平べったい殻に包まれています。
包丁を刺すなどしてあらかじめタネの向きを確かめてから、魚の三枚卸しの要領でタネの部分を薄く切り出します。

取り出したタネは、その日のうちに蒔くようにします。

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硬い殻に包まれていますので、まずはその殻を取り除きます。
一箇所、へこんで穴が開いている場所がありますので、そこからこじ開けますが、開きにくい場合にはハサミなどを使って穴を広げておきます。

刃物で指を傷つけないように、また、タネも傷つけないように気をつけましょう。

取り出したタネは、大きなソラマメのような形をしています。
タネのまわりには茶色い薄皮がありますが、カビの原因になりますので、この薄皮も取り除いておきます。

底の浅いトレイなどにタネが半分浸るぐらいの水を入れ、育てていきます。
水は毎日取り替える必要があります。
培養土などに直接蒔く場合には、水を切らさないように注意します。

発芽には25度以上の気温が必要なので、タネ蒔きは6月以降がいいでしょう。

最初に太い根が伸びていき、その後芽が出てきます。
発芽まではタネを蒔いてから約2週間かかります。

順調に育ち高さが20センチ位になったら、土に植えていきます。
土に植え替えるときには、タネが全部土に隠れないようにします。
最初から土に蒔いている場合には、そのまま育てて大丈夫です。

育成方法

日当たりがよく、気温が高い場所を好みます。

冬でも気温が5度を下回らない場所で育成します。
その場合でも日光が当たっていないと成長が衰えるので注意しましょう。

マンゴーは成長が早く、2年も経つと根が鉢いっぱいになります。
根を傷つけないよう、古い土をつけたまま一回り大きな鉢に移していきます。

マンゴーは最大で40メートルほどに育つ高木です。
室内で栽培している場合など、あまり大きくしたくないときには剪定をする必要があります。

5月から8月にかけて、樹高が50センチぐらいのところで上に伸びる枝を切り、全体が傘状になるよう仕立てていきます。

また果実を収穫した後にも、果実を付けた枝を切り戻します。

水やりと肥料

鉢で育てている場合には、生育期の3月から10月までは、土の表面が乾いたら水を与えていきます。

冬場の生育が穏やかな時期には、土が乾燥して2,3日後に水を与えます。
この時期は乾燥気味に育てることで花芽の分化が促進され、花が多く咲くようになります。

地植えの場合には特に水やりの必要はありませんが、夏場に雨が降らず乾燥がひどいときには水を与えます。

肥料は、花芽が出る3月と摘果をする5月、実を収穫したあとの8月に与えます。
与える肥料は窒素・リン酸・カリのバランスのよいもの、またはリン酸がやや多いものにします。

肥料が切れると葉が黄色くなり、花が咲かなくなることがありますので注意します。

受粉と結実

雌雄同株なので、自家受粉が可能です。
昆虫が多い場所なら自然受粉ができますが、人工授粉させたほうが確実です。

花はたくさん咲き、水の吸い上げも多くなりますので、乾燥に注意しましょう。
花が咲いているときには、毎日の水やりが必要です。

実が多すぎると栄養が行き届かず実が小さくなりますので、摘果をしていきます。
鉢植えの場合にはひと株につき3個から5個が目安です。

収穫

花が咲いてから、3、4ヶ月で実が熟します。
実が熟すと自然落下しますので、傷が付かないようあらかじめネットなどを張っておきます。

収穫したら追熟が必要です。
収穫後2週間ほど、常温で保管しておきます。

甘い香りがし出し、指で押してへこむようになったら食べ頃です。
その時期になると実の表面に糖分が染み出し、しっとりしてくるので、手触りでも判断することができます。

 

■失敗しないマンゴー作り。ここだけは注意しよう

マンゴーの栽培で特に注意すべきは、1にも2にも温度管理、これに尽きるでしょう。

タネ蒔き時期を間違えなければ、苗をある程度まで成長させるのは容易でしょう。
ですが、沖縄や九州南部など年間を通して温暖な地域でもない限り、屋外で日本の冬を越すのは難しいといえます。

できれば屋内に持ち込んで、温度や日当たりをきちんと管理できる環境で世話してあげたいものです。

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