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デザートやサラダにアボカド―タネからフルーツを育ててみる

ガーデニング

今回は、トロピカルフルーツのアボカドに挑戦してみたいと思います。

■アボカドってどんなフルーツ?■

原産地は中央アメリカ・メキシコのクスノキ科の植物です。
野生では高さ30メートルほどになります。
寒さに弱く、主に熱帯や亜熱帯で生育します。

10世紀頃のペルーの遺跡からは、アボカドの実をかたどったとみられる土器が発見されていて、その頃には実を食用としていたことが伺われます。

栽培時期についても、少なくとも13世紀頃には行われていたとみられていて、古くから栽培されていたことは確実なようです。

「森のバター」と言われるほど、アボカドの実には脂肪分が豊富に含まれていて、フルーツのなかでは最もカロリーがあります。
その脂肪分もほとんどが善玉脂質と呼ばれる不飽和脂肪酸で、コレストロールを気にせず食べることができます。

また、ビタミンEも豊富で、アボカド1個半で成人男性の1日の必要量をまかなえるとされています。

このように栄養がたっぷり含まれているため、サラダやタコス、サンドイッチやハンバーガーの素材として人気があります。

 

■アボカドの品種■

品種は1,000種類を超えると言われ、そのうち栽培されているのはごく1部で、種全体のことはよくわかってないことも多いようです。

いくつかよく知られている主なものだけ上げてみます。

ハス種

日本で流通しているアボカドの99%がこのハス種です。
皮が厚く輸送が楽なこと、栽培しやすく多産なことから多く流通しています。
熟すと皮が黒くなるため、食べ頃が判断しやすいのも特徴です。

フェルデ種

ハス種が広まる前はこのフェルデ種が主流でした。
アボカドのなかでは比較的寒さに強く、現在でも世界で2番目に生産量が多いです。
味は濃厚で美味ですが、熟しても黒くならないため食べ頃が判断しにくく、収穫後の日持ちも悪いです。

ベーコン種

フェルデ種同様、熟しても皮が黒くなりません。
フェルデ種よりも寒さに強く、日本でも温暖な地域なら栽培が可能です。
味は濃厚で、スペイン、カリフォルニアで少量生産されています。

ピンカートン種

脂肪分が多く、大玉になります。
皮は深緑色で、寒さには弱いですが、日持ちはいいです。
イスラエルや南アフリカで主に栽培されています。

リード種

丸い実をつけ、大型で味は濃厚。
ハス種よりさらに日持ちはよいですが、寒さには弱くいです。
イスラエルで少量生産されています。

 

■アボカドのタネ蒔きと育て方■

タネ蒔き

ご存知のように、アボカドのタネは巨大で、実の半分近くを占めます。
芽を出させるのは容易で、土に埋めても水耕栽培でも1ヶ月ほどで芽を出します。

私も子どもの頃、興味半分で適当に植えたタネから、ニョキニョキと芽が出てきたのを経験しています。
もっとも、冬の寒さにあてられてアッという間に枯れてしまったのですが(汗)

 

発芽の適温は15度から20度なので、5~6月がタネ蒔きの時期になります。

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実からタネを取り出したらすぐに植えます。
実をきれいに落としたら、ヤスリなどで表面の皮を剥いておくといいでしょう。

タネよりふた回りほど大きな鉢を用意し、タネの尖った方を上にして、半分隠れる程度の深さで土に埋めます。
土は水はけがよければ特に気にしなくても大丈夫です。
その他、タネに楊枝を刺してコップなどに入れていても発芽させることができます。

室内の明るく暖かい場所に置き、乾燥しないように管理します。
1ヶ月ほどで発芽、その後、半年ほど経って根が充分に育ったら、大きな鉢に植え替えをします。

植え替えの目安は2年に1度程度。
水はけが悪くなったり根が地面に出てきたりしていたら、鉢のなかで根が混み合っている可能性があるので1つの目安になります。

剪定

本来は30メートルほどの高さになる木ですので、成長をコントロールするために摘芯を行います。
樹高が40センチほどになった頃、頂上の芽を摘み、高さを調整します。

その後は毎年3月から5月頃に、葉が込み合って日当たりや風通しが悪くなっているところの枝を、根本から切っていきます。

追肥

3月から9月頃の成長期に行います。緩効性の化成肥料などを与えるといいでしょう。

寒さ対策

観葉植物としては寒さに強い方ですが、気温が5度を下回ると枯れる可能性があります。
特に若木の時期は注意が必要です。

室内なら常に暖かい場所に設置し、地植えのときには根本に腐葉土を盛るなどして、根に霜が降りるのを防いであげます。

受粉

アボカドは、育成は簡単ですが実をつけさせるのが難しいです。
というのも、花の咲き方が特殊だからです。

雌雄異熟花といい、ひとつの花に雄しべと雌しべがあるのですが、最初に雌花として咲き、その後いったん花を閉じてから、改めて雄花として咲きます。
ですので、開花のタイミングが同じだったりすると受粉することができません。

そこで、人工授精という方法を取ります。

具体的な方法としては、まず、雄花を傷つけないように取って冷蔵庫に保管しておきます。
そのあと雌花が咲いたら、保管してあった雄花から花粉を採取し、雌花につけ受粉させます。

収穫

品種によって11月から3月までとバラツキはありますが、11月から12月を目安と考えればいいと思います。
スーパーなどでよく見かけるぐらいの大きさになれば、収穫時期と言えます。

ハス種の場合は、収穫してからしばらくすると黒く変色してきますから、その頃が食べ頃です。

 

■失敗しないアボカド作り。ここだけは注意しよう

適正気温が20度程度という制限はあるものの、発芽・育成ともに難しくはありません。

しかし、結実させるとなると非常に厄介です。

上でもお話しましたが、開花のズレという問題があります。

開花の過程をずっと観察できるのならいいのですが、現実的に難しいでしょうから、雄花の冷蔵保存方式という手間をかける必要があります。

 

その他、本来樹高30メートルもの高さに育つ果樹ですので、室内で育てる場合は特に、まめに剪定をする必要があります。

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