親族・身内に不幸があったとき、喪中はがきを出しますよね。
昔に比べ手紙文化が廃れつつありますが、こういった伝統はまだまだ残っています。
でも、いざ喪中はがきを出そうと思っても、その文面やどんなタイミングで出せばいいのかなど、意外に迷ってしまうものです。
そんな喪中はがきの、知っておくべき常識やマナーを解説していきたいと思います。
■喪中はがきとは?
喪中はがきとは、正しくは「年賀欠礼挨拶状」「年賀欠礼状」「喪中欠礼状」などといいます。
つまり「身内に不幸があって喪に服するので新年のあいさつをしません」あるいは「年賀状を受け取れません」という知らせを、年が明ける前に送るものです。
喪中はがきの本来の趣旨は、あくまで「こちらから新年のあいさつをしないことを詫びる」旨を伝えるものですので、先方から届く年賀状の受け取りを拒むものではありません。
しかし一般的には、喪中はがきを送ってきた相手には年賀状を送らないのが通例です。
■喪中はがきを出すタイミングは?
相手が年賀状の準備をする前に送っておくのが親切ですね。
年賀状の受け付けはだいたい12月の半ば頃ですから、遅くても12月上旬には先方に届くようにしたほうがよいでしょう。
逆に、送るのが早すぎても問題があります。
なぜなら、あまりに早く喪中はがきが届くと、相手が受け取ったことを忘れてしまう可能性があるからです。
実際に私も、職場の同僚から早々に手渡しで喪中はがきを受け取ったものの、見事に忘れて年賀状を出してしまった、という失敗談があります(笑)
11月頃から年賀状の準備を始めるというせっかちな人もいるかも知れませんが、一般的には12月に入ってからボチボチ準備をするケースが多いでしょう。
ですので、10月の下旬から11月の下旬までの時期に届くようにするのがベストだといえます。
■喪中はがきを出す範囲は?
喪中はがきを出すにあたって、どこまでの範囲の親族が喪中になるのか、誰に喪中はがきを出せばいいのかといったあたりが、一番悩むところではないかと思います。
喪に服する親族
一般的には2親等までの親族が、喪に服する範囲といわれます。祖父母、兄弟、孫の範囲までですね。
しかし、3親等以上の親族の喪に服してはならないという決まりはありませんから、おじさんやおばさんなどであっても、親しい付き合いがあったりすれば喪に服しても構いません。
また、別居している、配偶者の家族が亡くなった場合には、親類には喪中はがきを出し、友人知人とは例年通り年賀状のやり取りをする、結婚して籍が別々になった兄弟姉妹が亡くなった場合には喪中はがきを出さない、といったケースもあります。
喪中はがきを出す範囲
基本的には、例年年賀状のやり取りをしている相手です。
訃報を知らせるのが目的ではないので、葬儀への参列者にも出すのが一般的です。
一方、仕事上のみでの付き合いの相手には、喪中はがきを出さないのが通例です。
相手先が個人と特別親しかったという場合を除き、余計な気を使わせるのを避けるためです。
■喪中はがき・文例
喪中はがきには、守るべきマナー・注意点があります。以下に例をあげていきます。
いつ、誰が亡くなったのか
喪中はがきを受け取ったのはいいが、ここが抜けていては相手も困惑してしまいます。
故人の名前の前には、差出人との続柄も書いておきます。
「年賀」という文言は使わない
「年賀」は慶事を表す言葉なので避けます。
代わりに「新年」「年始」などを使います。
お付き合いへの感謝を述べる
日頃のお付き合いへの感謝と共に、相手方の無事を祈る言葉などを書いておきます。
近況報告などは書かない
喪中はがきの趣旨とずれてしまいますので慎みましょう。
どうしても伝えたい場合には、1月7日以降、寒中見舞いなどの別の便りを使います。
喪中はがき文例
- 「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」
- 「喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます」
- 「○月○日に(続柄)(故人の名前)が〇〇歳にて永眠いたしました」
- 「(続柄)(故人の名前)が本年○月○日に〇〇歳にて永眠いたしました」
- 「本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに、明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
- 「本年中に賜りましたご芳情に深く感謝いたしますとともに、明年も変わらぬご厚誼のほど謹んでお願い申し上げます」
- 「皆様には健やかな新年を迎えられますようお祈り申し上げます」
- 「寒さ厳しい折柄一層ご自愛のほどお祈り申し上げます」
ほんの一例ですが、ネットでも注文できるサイトがたくさんあり、文例も豊富なので、上手に利用するといいと思います。
■おわりに
最後にひとつ注意点として、喪中はがきを出してない相手から年賀状が届いてしまったら!という場合です。
そのような場合には、年始が過ぎる1月7日以降に、寒中見舞いとして「喪中につき年始の挨拶を失礼した」旨の文面を添えて出すのがよいでしょう。
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